人気ブログランキング | 話題のタグを見る

青山みのりの部屋


by minorimay
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

さらっとなんて書けない

しばらく沈んでいた。

先日書いた岩村和弥くんのお通夜と葬儀は
それはそれは辛いものだった。

お通夜ではサッカー少年団の、
葬儀では小学校の同級生の子供たちが
和弥くんの死を受け入れられずにいた。
立ちすくんでいる子もいた。
うろうろと歩き回っている子もいた。
ハンカチをたたきつけている子もいた。
みんな声をあげて泣いていた。

お通夜も葬儀も和弥くんの母が
涙ひとつみせずに気丈に弔問客を迎えていたのも
もうどうしようもなく切なかった。

葬儀の終わり、最後のお別れの時に
棺に添えられた花をひとつひとつ
和弥くんの母がいとおしそうに入れ直していた。
微笑みさえうかべながら。

和弥くんはひとりっ子。
「遅くにできた子だから主人が猫っ可愛がりして困るの」と
和弥くんの母は苦笑していた。
話し方も他人との接し方も控えめで、
いつも誰かに気をつかっているようなひとだった。

それなのに、どうして。どうして。
神様、どうして和弥くんなんですか。
どうして岩村さんから「母の肩書き」を奪うのですか。


何もできなかった。
何もいえなかった。
かける言葉がみつからなかった。


帰宅後、ベランダにでたら
桜の花びらが一枚舞い込んできた。
うちはマンションの9階なのに。

あぁ、そうか。
和弥くんがお礼をいいにきてくれたのか、と思った。
悲しかった。
by minorimay | 2005-04-15 23:35 | ひとりごと