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カテゴリ:題詠マラソン2005( 6 )

◆スーツハンガー◆

じゃがいもの皮をむきつつ気忙しく切りたる昨夜の電話をおもう
A-MA-EとうDNAの発動す やけにあかるき夫の風邪声
鬼が島送りにされた顔をして夫は手酌でビールあおりぬ
科学展優秀賞の子にかける言葉はえらべ 遠ざかる岸
「どうせ俺の住まぬ城だ」とマンションの購入書類なげやりに置く
子の緊急連絡先にしるされた携帯番号ひとつ消しおり
赴任先へ連れていかれずスカートに身をよせているスーツハンガー
椅子キリン我の家族も四本の足で立つのだ てるてる坊主
紺ピンク青に黄緑全員の箸花束のように運びぬ
河口近き川はくの字に曲がりいて進むちからを問うているらし

◆しあわせそうに◆

善悪を教える側のわたつみに青さ深さや次元のちがい
噴水をパパ、踏切りをウインクと揶揄したる子のはじめての恋
額に猫をすまわせているメイちゃんはひかりのにおい生まれもちたり
それなりの重みの雲を抱えつつ麻酔の効いてゆく西の空
続きはもう無いと知りたる6年の子ら靴紐を結びなおしぬ
このリズムだけを信じる。タカシからセンタリングが来る。走り込む。
試合後に手櫛で髪をかきあげる仕草にはつか見ゆる幼さ
お下がりの携帯しかとにぎりしめしあわせそうに子の眠りおり
ぬいぐるみは笑わないのに愛されて ちいさいものはみんなかわいい
教科書に名前をしるすお役目も御免となりてはつかさびしき

◆楽器なりけり◆

洗濯機まわる音にも四分のニ拍子を聴く耳をもちたり
不覚にも罠にはまりし野うさぎは音大卒の学歴をもつ
春先のキャベツが煮えてゆくように弾けノクターンop.2
練習のできぬ林間学校の夜やすらかに深まりゆきぬ
左手の小指がDisに嫌わるる胸騒ぎして息ひとつ吐く
占いかジンクスなのか 決めかねていると必ず降りる遮断機
甘美なるラフマニノフを弾かぬまま終える計画 闇空の美し
音域の異なる声のひびきあう我が食卓は楽器なりけり
巻き舌のごとく奏でるトレモロの指のちからをぬいてください
「この曲は薔薇の音で」といわるるも野ばら白薔薇咲くはどの薔薇

◆<嘘をつけ>◆

暖冬の予報は外のことなればせめてシチューの素を買うらむ
聞きなれぬ声携帯に夫の名で届きぬうすら寒き真昼間
刺せばいい ヘッドライトに照らされたきみのみているわたしはナイフ
黙々と進む海月よ 重き身をすておまえらと虹をつくらむ
<嘘をつけ><嘘をつくな>が同意語のふしぎ 翼の種を売ります
留守宅に鳴りつづけたる呼び出しのベル さよならは聞きたくなくて
静けさにほとりほとりと穏やかに凪ぐ水のあり我のみずうみ
満天の星それぞれをおもうとき未来の道をみつけたかりき
現実を知れば知るほど人生の動体視力おちてゆきたり
マラソンのひとりふたりと走り終え秋のエッジにのこる足跡

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題詠マラソン2005、とりあえず完走。
(ちょっと遅刻したけど)
完走おめでとうメールを何通かいただいて
最後はあんな歌になってしまって情けなかったけど
でもうれしかった。
メールくださった方、ありがとうございました。(ぺこり)

大好きなひとの名前が完走者リストの中にいくつもあって
みんな頑張ったんだなぁと感慨にふける。
でも完走できなかったひとも何人かいて
それもまた2005年の思い出の1ページになっていくのだろうとおもう。

おとといの深夜、歌の残りとコメントを1時間かけて書いたのに
翌朝、確認したらアップされていなかった・・・。(ノ_・、) シクシク

いまひとつ体調がすぐれないので
コメントはまた後日、書き直すということで。

おやすみなさい。
これはちゃんとアップを確認してから寝ます。
by minorimay | 2005-11-04 00:51 | 題詠マラソン2005
◆通称 2000T◆

豊橋に三度目の秋 耳慣れて口のみ迷う三河弁なり
官僚の不正行為をつきつめる場より濡れ場に定まらぬ「読み」
『馬頭琴』を<モリン・ホール>と下調べ表にしるせば風が聞こえる
みえぬゆえやすらぎはあり ゆりの香の肌によりそうマッサージ室
白杖(はくじょう)も盲導犬も人生のクロスワード・パズルの答えにあらず
月光に泥土のようにおしよせる雲を<不穏>と呼びたきゆうべ
消音の画面にあれば秋津島「大和ハウス」は「ダイワ」なりけり
袖のふるる微かな音もひろいたる2000T また泣いていたのか
   *2000T・・・SONYの音読ボランティア用録音機材 TC-RX2000T
赤ワインことこと煮詰め「ことこと」のイントネーションふと口をつく
変わりなき一年をかけ一本の音読テープつくり終えたり


◆斜めにわたれ◆

泣きぼくろ、と指をさされたアンタレス。またたく。僕はうんとうなづく
闇空に螺旋をえがく鉄条網みたいだ 枯れてひかる朝顔
愛されるためにすすきの野の色に髪をそめてもさみしいタカシ
ユウジョウがわからぬうちに靴下のかたちの雲のくずれゆきたり
ラーメンにスープを入れる指先は(オトコダ)十三歳の寡黙さ
鰻重の松竹梅をかぎわける嗅覚は父ゆずりなるらむ
制服の裾の乱れを直しおりアワダチソウの秋告ぐるがに
模範的異端児”ナベ”は剣を売り牛は買わぬと子は言い切りぬ
十字路の名にふさわしき国道を斜めにわたれ 死は遠きもの
己が身の影に気づかず走る子に秋のひざしのやわらかくふる


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やっと41~60番までを投稿。

40番台のテーマは、音読ボランティア。
目が不自由なひとのために本や情報誌などを
ひとの声でテープやCDに吹き込むボランティアだ。

以前にもここに書いたが、
私は言語が身につく幼少期を東京ですごしたので
わりとイントネーションは標準語に近いのではないかと自負していた。

・・・が。

自分ではまったく気がつかないうちに特に語尾が三河弁になっていて
自信満々にテープに吹き込む→聞きなおして愕然とする、の繰り返し。
三河での32年の生活の賜物なのか、
専業主婦歴15年の産物なのか、
はたまた歳のせいなのか。
いずれにしても私としてはあまりうれしくない傾向である。

音読テープ録音はとても時間のかかる作業で、
たとえば今、私が読んでいる300ページ弱の推理小説だと
録音、校正(これが3回も入るらしい・・・)、直しの録音をするのに
だいたい1年かけて1冊、
90分テープ約6本が仕上がるらしい。

1年で1冊。
とてつもなく気の長い話である。


50番台は、正直にいうとちょっと手を抜いてつくった。
どうにも先にすすまないので、
いろいろな自分の中のタブーを破りつつ
とにかくここの10首を揃えてしまった弱い私。(汗)

テーマは、13才・中学2年生の上の子。

中学に入学してから急に自我が芽生え、親離れもすすんだ。
父は単身赴任していて不在。
オンナ親としてはどこまで手を放していいのかがわからず、
ゆるめてはまた手繰ったりしながら
なんとか口数の多い(母子?)家庭を保っている。

ガンを切ってきたり、威嚇してみたり、偉そうな口をきいたりもするが
ここぞという時にはまだ私のいうことを素直に受け入れるので
ま、普段の乱暴な言動には多少目をつぶってやろう。(笑)

三面記事、天気、料理、マンガ、観光地、ことわざや言葉の語源、
ケガや病気、動物、政治の話などなど
10年前では想像もできないほどいろいろなことを
上の子と話す。
親子だからこそこんなふうにひとりの人間と
とことんコミュニケーションを取ることができるのだろう。
世の中のこと、私の知っているすべてのことを教えるのが楽しいし、
ときには教えられることもあって楽しい。

「13才まで無事に育ってくれてありがとう」と言いたい。




・・・感謝しているわりには手を抜いた歌ばかりで、ごみん。
ナイショにしておこう。
by minorimay | 2005-10-21 02:57 | 題詠マラソン2005
◆立入リヲ禁ズ◆

野イチゴにツクシゼンマイ 盗人(ぬすびと)のわらわらふえる春の放課後
ふと君の乾電池よりいつわりのもれだす気配 黒板を消す
魚など金魚以外はみたことのない子の歩くスクールゾーン
世の中は矛盾だらけだ三河弁話せぬ背中にも耳はあり
<立入リヲ禁ズ>の文字を覆うがに草の茂れる転校初日
尋ね人探せるふりで道すべて嗅ぎたるチビを探偵と呼ぶ
かく汗の匂いもちがうこの町の人々すべて眠りおりたり
横浜家一族の棲む土地なりき右も左も後ろもいまも
まっさらの貸し出しカードを抱きつつ棚に眠れる紫式部
おとうとに置き去られたる姉なれば借家にひとりピアノ鳴らしぬ


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題詠マラソン4つ目の連作は、「転校」。


名古屋で生まれ、
幼稚園入園前に父の仕事の都合で東京へ移り住んだ。
それから小学4年生までずっと東京にいたので
私の思考回路のベースは標準語である。

小学4年生の秋、
愛知県のはずれの新興住宅地(つまり田舎)へ転校。
名古屋市内での新居が決まるまでの10ヶ月間だけ
そこで生活するハメになったのだが・・・。

クラスメイトの約3分の1が「水野姓(連作では『横浜姓』とした)」で、
さらにクラスの約半分が何らかのつながりのある親戚同士。
おまけにそこは「三河弁が共通語」の世界だった。

生徒だけでなく、教師までもが三河弁を話す。
国語の音読の時も、もちろん三河弁のイントネーション。
はじめ「たーけ(たわけ)」の意味がわからなくて
隣の席の子に「たーけって何?」と聞いたのがいけなかったらしい。
「東京から来たからって上品ぶってる」だの、
「私らのことをバカにしてる」だのという噂が広がり、
あっというまに村八分となった。

あの時の心情はいまだに忘れない。

標準語を話しているだけなのに、
どうして「澄ましている」と陰口をたたかれなくてはいけないのか。
これが私の「普通」だったのだ。
こんな悪口をいうような奴らの言葉など
私は一生、口にしない!!!

・・・というわけで、
東京を離れてはや32年が経ったが
何とか三河弁に染まらずに生活している。

(と、本人は思っている)
by minorimay | 2005-07-22 23:56 | 題詠マラソン2005
◆そだててゆかな◆

すくわるる否すくわれぬしじみらの歌うたた寝の覚めぎわに聞く 
川の面を恋いたるごとく弓なりにしなう漁夫と上弦の月
うさぎ島うさぎの消えてぬばたまの貝のみ浜に眠りいるらし
定型の人生なんて。藍色の箱にしずもるシェル・チョコレート
泳いではわたれぬ川をあまたもつふたりしじみをそだててゆかな
川風のよせてはかえし朝露をみやびにまとう蜘蛛の巣に吹く
ステンレスボウルの澄んだ液体を最後の海として口にせむ
鋤簾(じょれん)引くしじみ漁夫の影を抱き母なる川のながれやまざり
ばか貝は捕られ笑われ捨てられて菜にもならずもの思う春
干満を橋の高さに知らしむる潮の匂いの街に生きおり

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今年のマラソン、5月は早々にさぼってしまった。
う~ん、このペースじゃヤバいぞ。(汗)

今回のテーマは、貝。
うちのマンションの裏は豊川(とよがわ)に面していて
春から秋にかけてのほぼ毎日、何人ものしじみ漁夫が川中にたつ。
潮のいい日には何艘もの船が出て
漁夫たちは胸まで水につかりながら鋤簾の音をひびかせている。

「鋤簾」というのは、竿の先にザルをつけたような道具で
川底をそれで砂ごとすくいあげ、
水の中でじゃらじゃらと振って貝だけを捕る。

相当な力仕事だろう
早春や晩秋はさぞや水が冷たいだろう
川の底の地形を知りつくしていないと難しい作業だろう

などと思いながら
いつもあきずに窓からながめている。

先日、うちの子の通う小学校では
豊川でしじみを捕るイベントがあった。
サンダル・バケツ・ザル・熊手・たも・おにぎり・着替え持参で
川の浅いところで半日遊ばせてもらい、
その間に母たちが大鍋でしじみ汁をつくる。
何杯もしじみ汁をおかわりして堪能し、
貝や魚や蟹をそれぞれ手にして子供たちは帰宅する。
満足し切った顔で。
こんな(母たちが)大変なイベントを企画してくれるなんて
すごい学校だと毎年おもう。

うちの小学校は豊橋駅から一番近い位置にあるのだが
しじみ捕りの日の夕方、地方ラジオのパーソナリティーが
「自然が身近にある小学校ならではのイベントですね」
といって紹介していたのが笑えた。

そう、ここだけの話、
豊橋って田舎なんです。
とってもいいところです。
by minorimay | 2005-06-26 23:59 | 題詠マラソン2005
◆Ⅱの薄き文字◆

東京都出身佐々木監督の微妙な三河訛りのぬくみ
石橋を壊して渡る<メガホン>が顧問の野田小 ご愁傷様
春空に吸われたボール 焦点が合った/合わない 肩がぶつかる
トモヒロはファールをしない主義なのに雨は等しくフィールドに降る
勝つために無二のボールを奪いあう敵という名の友もありけり
ホイッスル鳴らぬを祈りたそがれに背を向けていた大会初日
魚(うお)にあらず鳥にもあらず陸上に生れし獣として子は走る
教室にもどればふいに痛みだす右膝のせい うつむいたのは
レギュラーを夢みる子らの長椅子にアラビア数字Ⅱの薄き文字
楽勝とおもえば鬼を呼ぶことを十二間近の心に刻め


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やっとふたつ目の連作を投稿。
今回は子供のサッカーがテーマ。

今、下の子は、部活と少年団と教室でサッカーをやっている。
上の子は中学に入ってからは、部活のみ。
少年団と教室(夜なんです・・・)は送り迎えがとても大変だけれど
本人に上達したいという気持ちがあるのなら
ナマケモノの母も協力してあげたいと思ってのこと。

このテーマで今までいくつも連作を作ってきたし、
今回もだいぶ前から原型はできあがっていたものの、
見直すたびにあちこち気になる箇所が出てきて
結局こんなに遅くなってしまった。

一ヶ月にふたつの連作、20首。
このペースさえ守れば
なんとか締切りまでに完走できる・・・かな?

でも連作仕立てにすると
どうしても1首単位での完成度が低くなってしまう。
難しい~~。
これが今後の課題だな、うん。
by minorimay | 2005-04-23 23:31 | 題詠マラソン2005

題詠マラソン 001~010

◆にんじんの挿し絵◆

リナちゃんに手をひかれつつ読み聞かせ用の声帯ととのえてゆく
読むことは癒さるること 花の色ほわりとうかぶ桃源郷物語
降りそうで降らぬ空には数多なる水のつぼみの眠りおりたり
戦争で母を失うお話を間違えず読む淡々と読む
にんじんの挿し絵に見入る子供らが残すお昼の人参サラダ
殿様の時代錯誤な髪型じゃ笑わぬ平成十年生まれ
百万回生きて発見することを一期一会の子らへ語りぬ
わたくしの手提げ鞄に恐竜と地獄と桃のまじわらず棲む
眠くなるまでくりかえすくりかえしくりかえす 声だけを頼りに
通らねばならぬ線路があるならばたんぽぽ揺るる春にゆくべし

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やっと今日から題詠マラソンを走りはじめる。

今年は鈴木貴彰さんの真似をさせていただき、
10首づつで連作仕立てにして詠んでいこうと思っている。
まず最初の10首は、「絵本の読み聞かせ」。

私の声は(この年にしては)甲高いので
読み聞かせをはじめた当初、
子供たちに受け入れてもらえるだろうか、
ちゃんと伝えることができるのだろうかと
とても不安だった。

が、私が活動に参加してから数ヶ月後の昨年3月、
「今年読んでもらった中で印象に残った本」のアンケートで
ふたつの学年の1位に私の読んだ本が入った。
このことに私はとても救われたのだった。

その時、4年生の1位になった絵本のタイトルが
「わざとじゃないもん」なのである。
by minorimay | 2005-04-04 23:03 | 題詠マラソン2005